南国の島、沖縄。
沖縄といえばのんびりとした風潮や温かい気候・人柄。
豊かな自然に囲まれた観光リゾート地というイメージがある一方で、離婚率の高い県、昔から続く貧困問題といった印象を持つ人も少なくないでしょう。
しかしなぜ沖縄はシングルマザーが多いのでしょうか?
そしてシングルマザーにとって貧困問題を抱える沖縄で子育てをするということはとても大変なことなのかもしれません。
今回は沖縄の離婚率の高さ、貧困原因について考えていこうと思います。
なぜ離婚率が高いのか?
とても残念なことに沖縄県の離婚率が常に1位という結果になっています。
しかしなぜ沖縄は離婚率がここまで高いのでしょうか。
考えられる要因はいくつかあると思います。
一先ず、浮かんだ下記の5つの理由を挙げてみました。
- 収入が少ないため結婚生活の維持が難しい
- 比較的若い年齢で結婚するため
- DV発生率が多い
- 子育てする環境に問題がある
- 仕事が少なく失業率が高い
収入が少ないため結婚生活の維持が難しい
沖縄の年収は日本47都道府県の中で常に最下位と言われ、その平均年収はおよそ200万円程度。
ランキング上位の東京都の平均年収はおよそ500万円程度ですから比較すると半分以下という事になります。
ですから収入が少ないというのは事実でしょう。
しかし、収入が少ない=離婚率が高い、という風に直結するかと言われるとそういうわけでもないかと思います。
質素な生活を好む
沖縄の人は、衣服や装飾品など身につけるものにあまりお金をかけません。
食べるものも家庭菜園や実家が農家だったりする場合もありどちらかといえば質素なイメージを受けます。
年収200万円程といっても共働きが当たり前の沖縄では夫婦合わせて300万円程度の年収はあります。
その位の収入で上手くやりくりして毎月の生活・子育てをしている世帯もたくさんいるというのが現状です。
比較的若い年齢で結婚するため
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沖縄の人は結婚・出産が早いというのは良く聞く話です。
実際に私自身や私の同級生も高校を卒業して10代で授かり婚をした方がたくさんいます。
もちろん末永く続いている夫婦もいれば残念ながら離婚してしまった夫婦もいます。
再婚前提で離婚をする?
若くして結婚するという事は、あまり相手のことを知らないまま結婚してしまったという事も考えられるでしょう。
そして離婚する時の年齢もまだ20代という人が多く、再婚する前提で離婚することが多いため離婚という事にあまりマイナスのイメージがないのかもしれません。
良く言えば「ポジティブ」、悪く言えば「後先考えない」ということでしょうか。
DV発生率が高い
これはわたし自身もかなりびっくりしたのですが、沖縄はDV発生率が高いという事が調べてみて分かりました。
穏やかな島人というイメージが強い沖縄の人ですが、男性の方はやや独占欲が強い傾向にあり束縛する男性が少なくありません。
そう考えるとこのような結果はそこまで意外ではないかもしれません。
女性にとって愛する夫が急に暴力を振るうようになったら立ち直ることが出来ない程ショックを受けてしまいます。
DVが原因で離婚してしまうのはお互いのためにも良いのかもしれません。
子育てする環境に問題がある
共働きが多い沖縄の両親は、子どもと接する時間が少ない気がします。
日中は保育所や託児所、両親の実家に預けられることが多い子どもたちはおじいちゃんっ子、おばあちゃんっ子になる場合が多いです。
もちろんそれが悪いというわけではなく妻側の両親が子育てをサポートしすぎてしまう傾向がある為、離婚して夫が居なくても不自由はしないという考えがどうしてもあります。
そういった環境も含めて離婚しやすい環境ということなのかもしれません。
また、沖縄は子育てしやすい環境ランキングで毎回上位を占めています。
子育てはのんびりと
のどかな沖縄での子育ては両親や子どもものんびりとした気持ちで日々を過ごすことが出来ます。
そのため優しく思いやりのある子に育つでしょう。
しかし、学力面では毎年最下位という残念な結果になっています。
良くも悪くもマイペースなのでしょう。
仕事が少なく失業率が高い
離婚率と同様、高いのが失業率。
安定した職業で人気のある公務員や大手企業で務めることが出来ればいいのですが、沖縄は中小企業が多く、男性の方でも不安定な雇用形態で長年働いているという方も少なくありません。
不景気な時代ですから倒産する会社も多く、すぐに転職をしようと思っても次の働き先がないというのは良くある話です。
離婚原因の矛先が違う
お金のことで離婚する夫婦はたくさんいます。
しかし、そういった夫婦はそもそもの夫婦関係が上手くいっていないということが前提でしょう。
私の友人の夫も観光業の仕事をしているため観光シーズンである夏場は忙しく残業手当などもありそれなりの給料をもらうようですが、冬場は仕事が激減しコンビニや工事現場などで日雇いのアルバイトなどをして収入を得ています。
要は安定していない職業でも、このように工夫して収入をキープしている方もいるという事。
離婚原因を仕事のせいにするのは何か違うような気がします。
シングルマザーでも沖縄で生活していけるのか?
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このように離婚率の高い原因は、金銭面、早期結婚、子育て環境など様々ですが、沖縄でシングルマザーとして子育てをしていくということは大変なことなのでしょうか?
シングルマザーの方の就職や子育て環境、生活に関すること、貧困問題などについて考えてみたいと思います。
母一人で子どもを育てるという覚悟
離婚をするということは今後子どもが社会人になるまでシングルマザーとして子育てをしていくという覚悟が必要です。
もちろん、再婚してまた新しい家庭を築くこともあるでしょう。
しかし離婚する段階では再婚なんて考えられないはずです。
まずはシングルマザーとして一人で子育てと仕事を両立していくという覚悟があるかどうかが大切です。
受けられる手当はすべて申請しておく
シングルマザーになったらまず最寄りの役所で母子手当や子ども手当、医療費免除などサポートしてもらえる分はすべて出来るだけ早めに手続きをしておきましょう。
また、今住んでいるところの家賃が収入と比較して高いため、支払いがきついという方は公共住宅などに申込みをしておくといいでしょう。
母子家庭の場合は優先的に入居することが可能です。
甘えられるところは思いっきり甘えて浮いたお金は少しでも子どもの進学費用など将来のために貯蓄をしておきましょう。
子どもはどこに預けるのか
既に保育所に入所している場合は良いのですが、離婚前は専業主婦だったという方は、これからは子どもを預けて働かなくてはなりませんから、新たに子どもを預けるところを探さなくてはなりません。
実家の両親に預けることが出来れば一番いいのですが、両親がまだ現役で仕事をしている場合は保育所や託児所に預けなくてはなりません。
ただ、沖縄は他の都道府県と比べて比較的預かってくれるところが多く待機期間も短めです。
またシングルマザーの方は優先的に保育所に入所することができます。
そして沖縄の子育て環境は、シングルマザーでもその両親が子育てに協力的だということだと思います。
残業や子どもの急な体調不良の場合などでも預かってくれることが多く、子どももおじいちゃん、おばあちゃんになつくことが多いので沖縄のシングルマザーは子育て環境にとても恵まれていると思います。
シングルマザーでも仕事はあるのか
失業率の高い沖縄でシングルマザーが子どもの都合に合わせた時間帯で仕事をすることは出来るのでしょうか。
保育所に合わせて土日祝日が休みの会社となると事務員などのオフィスワークや、医療関係で医療事務や調剤事務など、女性に一番人気の高い事務職になるでしょう。
仕事は選ばなければたくさんあります。
就職先の理解度が大切である
しかし人気の職種は倍率が高く事務系のお仕事は20人面接をして1人採用されるといった厳しい現実があります。
それが、シングルマザーとなるとやはり採用されるのはかなりの経験や資格などがなければ難しいと思われます。
ただ、沖縄の場合はシングルマザーが多いこともあり、理解してくれる企業が沢山あります。
時給や月給など給与面も大切ですが、子育てと両立して仕事をするのであれば、何より就職先がシングルマザーに対しての理解度が何より大切だと思います。
子育てしやすい環境とは
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シングルマザーにとって子育てしやすい環境とは何か?それはやはりサポートしてくれる方や施設が身近にあるかどうかではないでしょうか。
沖縄のいいところは地域の方が協力的で地域ぐるみで子育てをしてくれるということだと思います。
ちょっと急用が出来たので近所の方に子どもを少しの間見てもらうことも珍しくありません。
小さな子どもからすれば隣近所の方は親戚のおばちゃんみたいなものなのです。
困った時は助け合うという相互扶助の精神が人一倍強い島の人々。
子どもが伸び伸びできるのが沖縄
シングルマザーの子育ては母と子だけで寂しいイメージを抱かれる方もいますが、ここ沖縄では色々な人と触れ合うことでコミュニケーション力も高まり何より誰にでも優しく接することのでき伸び伸びと成長できるでしょう。
シングルマザーはモテる?
離婚率の高い沖縄ですが、シングルマザーの方でもまた新たにパートナーを見つけて再婚している方がたくさんいます。
私の周りもまさにそうで、同級生10名で時々女子会をしますがその中の4人がシングルマザーでしたが、そのうち3人が30代で再婚して新しい生活をスタートさせています。
人生のパートナーは必要
シングルマザーの方は自立心が高く女性だけではなく男性から見ても素敵だなという印象を受けるようです。
まだ離婚したばかりの方は、「結婚なんてもうしない!」なんて思っている方もいると思いますが、この先自分を支えてくれる人は絶対に必要です。
また1度目の結婚で失敗してしまった方は、2回目は慎重になっていますし、相手を見る目も以前よりも超えています。
子持ちの女性と結婚する方は、懐が深く、器の大きい方が多いようです。
子育てが落ち着いてからでも良いので、自分自身のためにもいつかは心から頼れるパートナーを見つけましょう。
沖縄での育児生活と貧困問題
育てる環境は良くても、生活の質は思うように向上していません。
就職先が少ないというのも理由の一つかもしれません。
しかし最低賃金の低さが一番の問題なのかもしれません。
もう1つ考えられるのが安定した仕事に就くことが出来ないということでしょう。
沖縄のシングルマザーは10代後半~20代前半と早い時期に結婚した方が多く、進学せずすぐに子育てという道を歩んできた方が多いでしょう。
そのため仕事をする上で有利になる資格や免許がないことがどうしてもネックになってしまうのです。
やはり資格や免許の不要な職種は給与面ではあまり満足することはできないため、生活はやや貧困になってしまいます。
貧困生活からの脱出
シングルマザーの方が貧困生活から抜け出すには、資格を取得するほかありません。
中でも人気が高い職種が医療関係でしょう。
医療系の仕事は全国どこも人で不足です。
シングルマザーの方でも経験がないという方でも就職しやすい職業だと思います。
また給与面でも安定しているため一生涯働ける職種でもあります。
やる気があれば挑戦も可能
資格取得の方法も通信教育という手段がありますので仕事が終わって、子どもが寝た後に毎日数時間程学習できる時間があれば無理な挑戦ではないと思います。
子どもはお母さんが一生懸命に頑張っている姿をしっかりとみています。
子は親の背中を見て育つと昔からよく言います。
仕事に子育て、勉強と大変な毎日になるとは思いますが、自身と子どもの未来のため目標を高く頑張りましょう。
さいごに
人生において結婚、離婚は人生を大きく変える一大事でもあります。
誰しも離婚するつもりで結婚するつもりなんて1ミリもありません。
それでも夫婦というのは人と人。
人格も違えば好みや価値観、教育方針も全く違うのが当たり前なのです。
どこまで相手のことを受け入れることが出来るかが大切になります。
我慢するよりもお互いのために、そして何より子どものためにシングルマザーという選択肢を選んだあなたはとても偉いと思います。
今は、生活のためや働きたくないからという理由で自分を抑え楽するという選択を選ぶ方が増えています。
きっと、それが熟年離婚へと発展していくのでしょう。
しかし人生を振り返った時、本当に幸せだったと胸を張って言えるのでしょうか?
何かを選択するとき、そのことをいつも心に問いかけてみましょう。
自分にとって楽な道ではなく幸せだと思う道を突き進んでいきましょう。
ありがとうございます。
泣きたくなる毎日から、少しだけ光が見えてきました。まだまだ心の整理ができませんが、頑張りたいと思います。