早めに考えておきたい老後資金!夢の数値化で「自助努力」の計画を

年金生活。この言葉からあなたは何を想像しますか? 私は、悠々自適な生活に歳をとれば誰もがなれる姿、国からの手厚い保障、そのようにどちらかと言うと《受け身》な印象を受けていました。

しかしFPとなり、年金分野のスペシャリストになるべく勉強を深めると、私が昔聞いていた年金生活は、今となっては「日本昔話」になっていることが判りました。

伯母の介護生活からの教訓

私には茨城の過疎化された村に住む95歳になる伯母がいます。未婚の為子どもは無く、自炊生活で畑仕事をこなし、地域の皆様に可愛がられ、助けられ楽しい生活を送っていました。

しかし歳には勝てず、94歳の冬に初めて介護認定を受け、今では施設に入所して生活を送っています。伯母の収入は基礎年金だけです。

そこに親戚からの援助・仕送り。数年前に「あと300万貯金がある」とは言っていました。一人暮らしの上に楽天家だった伯母は、年金保険等にも加入していなかったようです。

基礎年金も満額支給ではないので、大きなお金の支出は一部の親戚たちで援助してきました。いくら田舎暮らしと言っても、冠婚葬祭等お付き合いは多く、質素に暮らしていてもそれなりに支出はあります。

施設への入所にはお金が必要

施設に入る際に資金が必要となりましたが、認知症になった伯母に、預金がどうなっているのか等解るはずがありません。

恐らく、切り崩して使ってしまったのでしょう。兄弟も同じように高齢となり、もはや茨城の伯母の援助どころではなくなってきました。

私は約半年間、伯母の介護認定から施設入所まで、資金の捻出と全ての手続きをしましたが、想像をはるかに越えた混乱の日々。

FPの世界では当たり前になっている長生きリスク。まさか自分が伯母を通して体験するとは思いもしませんでした。

長生きリスクと必要な老後の資金

伯母の話は特例かと思いましたがそうでは無さそうです。私の周りには子どもがいない伯父(叔父)や伯母(叔母)がいる人は珍しくないようでした。

核家族化された現代は、自分やパートナーの親の老後だけでなく、親戚の老後ものしかかってくる時代の様です。

厚労省の発表では、現在日本では83万人余りの高齢者が生活保護を受給し、受給世帯の半数を超える50.8%となったそうで、うち9割が単身世帯です。

高齢化が進む中、低年金や無年金で老後を迎え、身寄りもなく生活保護に頼らざるを得ないお年寄りの貧困が深刻な問題になっています。

長生きは誰の特権?

本年2017年8月1日から緩和された、年金の受給資格短縮処置も(25年→10年)このような社会背景からきているのでしょう。

長生きする事は誰にも与えられた権利でしたが、現代社会においてはお金持ちの特権になりつつあるのかもしれません。

しかし、90歳以上生きる確率は年々上昇しています。今では、女性:47.2% 男性23.1%が90歳まで生きるといわれています。

長寿はとても素晴らしいことであり、盛大にお祝すべきことですが、働けなくなってからどうやって暮らしていくのか? ということも自分で考えいかなくてはならない時代になりました。

40年前の高齢者とこれから迎える超高齢化社会の違い

冒頭で私がお話しした年金昔話は、30年前には実際にあった話しです。

その当時と今の時代背景の違いは、まず金利が比べ物にならない程違います。金利が一番高かったのは1975年~80年頃で、郵便局の定額預金は10年利回り12%でした。

年8.0%の半年複利で、10年後になんと約2.2倍になって戻ってくるという時代。つまりボーナスでまとまったお金や退職金等を貯蓄に回せば⇒増える時代でした。

それに比べて今はどうでしょう。同じく郵便局の定額預金10年は利回り0.010%、話になりません。

働き世代と年金受給者の人口比率による変動

また40年前の年金支給の計算の際に使われる係数は高い数字でした。係数が高ければ=支給もUPします。昭和60年(1985年)の年金大改革の際に係数の引き下げが決まり、徐々に下がっていきました。

それは年金の原資を払う働き世代の人たちと、年金支給を受けるお年寄りの人口比率が今と昔ではかなり変わってきたからなのです。1975年(私が年金昔話を聞いていた頃)は、65歳以上の高齢者の割合が7%でした。

しかし2013年には65歳以上の割合はなんと25%となったのです。当時と今を比較して、総人口の伸び率は1.2倍なのですが、65歳の人口は4.3倍となりました。

そしてこれからは更に高齢者の比率は増える見込みです。これからは超高齢社会へと突入します。
(グラフ差しこみ) 

自助努力が必要な理由

今までの時代を高齢化社会というならば、我々が老後を迎える頃は超高齢化社会となっていきます。それはあきらかに置かれる環境が変わるからです。これからの時代、一人のお年寄りを何人で支えていけばいいのでしょうか?

◎ 2014年→4人の働き世代で一人の高齢者
◎ 2025年→3人の働き世代で一人の高齢者
◎ 2050年→1.3人の働き世代で一人の高齢者
(グラフ差しこみ)

これだけの差が生じます。この問題を解決するにはどうするか、
(1) 原資を作る働き世代の年金額を大幅にあげる
(2) 年金の受給金額を下げる

働き世代の人達は、教育費や住宅費等大きなお金が必要な時です。そこまで負担を掛けられません。そこで政府は(2)を選択しました。

これが今いわれている2025年問題・2050年問題なのです。ちなみに、以前は60歳から受給できた年金ですが、65歳からとなっていきます。

現在は段階的な処置で、1965年生まれの女性である私はかろうじて64歳支給開始の最後の年代です。これからこれは徐々に引き上げられ、やがて70歳からという時代も来るかもしれません。

長生き=健康とは限らない、不健康シーズンの対策

長生きをすることは多くの人の夢です。しかしそこに健康が備わらなければ楽しい老後とはいえません。実際、健康年齢は男性70歳、女性73歳といわれています。

平均寿命から考えると、男性は10.5年間、女性は13年間が不健康のシーズンとなってきます。不健康になると、医療費は国の制度で賄えたとしても、日々の食費・雑費など何かとお金がかかります。

不足金額をしっかり捉え、保険や年金(私的・iDeCo・確定拠出年金企業型etc)でしっかり補う必要があります。

老後の夢の数値化、その夢を叶えてくれるのは誰?

今のうちから健康に注意して、元気で楽しい生活が送れれば、人生はバラ色です。

しかしその夢に一体いくらのお金が必要か考えた事はありますか?私の趣味はフラダンス。

老後もフラを続けお友達とレイメイキング等を楽しみ、年に2回のハワイ旅行と国内旅行を楽しむ!という夢を持っていました。

しかしその夢の数値化を行い予算の試算をしたらあまりにも高額で愕然としました。シグマル訪問者の皆さんには楽しい老後を過ごして頂きたいと思います。

さいごに

一度皆さまの夢も数値化してみてください。その数値は老後の生活費予算を大きく左右するものになります。

その数値に向かい、今の自分が老後の自分へギフトするつもりで、自助努力して老後資金の形成をしていくことが、今の我々に課せられたテーマなのです。

ABOUTこの記事をかいた人

寺門美和子

ファイナンシャルプランナー(FP)/夫婦問題カウンセラー。約20年間元夫の仕事に従事していましたが離婚を機に職を失いW資格を取得しました。FPとしてこれからの時代を見据え、顧客本位のコンサルティングを行う企業に属さない独立系FPです。国策であり老後資金・資産形成に欠かせない確定拠出年金のエキスパートを育成する山中塾で学び『確定拠出年金相談ねっと』認定FPとなる。自らの経験を活かし自助努力が不可欠になる時代に添う、女性の自立支援・サポートをしていく事をライフワークとしております。

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