シングルマザーシェアハウス入居ママを直撃!これからのこと・親子のこと

みなさん、シングルマザー専用のシェアハウスがあるのをご存知ですか。
「親以外の大人にも触れながら、地域が見守る環境で子どもを育てたかった。」という思いでシェアハウス「MANAHOUSE上用賀」に入居した彩さん(仮名)。
離婚から入居への経緯、子どものこと、これからのビジョンなど話をお聞きしました。




シングルマザー専用シェアハウスとは

一般的なシェアハウスと同様、各家庭ごとのプライベートルームがあるほか、リビング・キッチン・お風呂・トイレなどを共用で使用するスタイルの住まいで、子連れ離婚が増える現在、全国に20ケ所以上あるといわれています。

「MANAHOUSE上用賀」では、食事の支度・掃除や子どもの送迎・見守りなどをオーナー・管理人・スタッフが受け持ちます。子どもが夕飯をひとりで食べることなく、また家事に追われることなくママが思いきり仕事をできるといったメリットを備えています。

シェアハウスを選んだ理由

彩さんは小学生女子と保育園児男子の二児の母。結婚生活15年目を節目に、夫のうつ病や暴力により話し合いが困難な状態が続いたことが原因で離婚に。支え続けていた気持ちが限界に達してしまったといいます。
別居当初は子どもと3人で暮らしていたそうですが、一家の主として稼がなくてはという一心で、お正月も子どもを留守番させて仕事をしていたこともあったとか。

子育てに対するビジョンが合致

普段から、子どもは親だけではなくいろいろな大人と関わりながら育つことが大事だと考えていた彩さん。ふと、ネットを見ていると「地域で見守りながら子育てをする」というビジョンを掲げているシェアハウスを見つけ、次に住むならここだ!と心に決めていたとのこと。
そして、仕事の転機などよきタイミングが後押しとなり「MANAHOUSE上用賀」に引っ越すことになったそうです。

実際、暮らし始めてみて

仕事で夜の帰りが遅いことも多いため、子どもたちが入居者の人たちと賑やかに夕飯を食べられることが心の救いと語る彩さん。
また、他の家庭の子どもたちとの共同生活を通して譲り合いなど集団生活のルールを学ぶことができ、子どもたちの自立を促すためにも有効な場だとのこと。

お子さんの様子を尋ねると、「夕飯時に母親がいないのがうちだけなので、特に下の子は寂しい思いをしていると思う。ただ、3人だけで住んでいた頃に比べたら明らかに安心感を持っているように見受けられる。」と答え、今の環境を「ベストを尽くせている」と語っていました。

父親と子どものこと

そんな前向きな彩さんですが、ずっと心の中モヤモヤしていることがあると言います。それは子どもと父親との関係。
元夫から養育費の支払いも音沙汰もないため、こちらからも連絡をしていない反面、子どもの父親である元夫や、祖父母にあたる義父母に子どもの成長過程を伝えたいと思ってるとのこと。

父親に感謝するように子どもに伝える

子どもには、離婚してもお父さんはずっと変わらずいるし、いつでも会えると伝えるとともに、「あなたたちはお父さんのいい部分も沢山受け継いでいるのだから、お父さんに感謝するように。」と折に触れ父親の長所を話しているといいます。

彩さんは元夫のことを、「能力がある人だと思う。尊敬しているだけにもったいなく思う。もっと冷静に話し合いをしたかった。」と振り返ります。

親同士としての関わり方を考える

子どもと父親の関わり方については、子どもに携帯電話を持たせてやりとりを子どもに任せたいと考えている彩さん。
取材をしていくなかで、自分自身が子どもと父親の架け橋になれる唯一の立場だということにあらためて気づく場面もあり、「近々、写真や動画を元夫に送ろうと思う。夫婦だと思うと難しいけど、親同士と割り切れば役割としてできる。」と一歩踏み出すきっかけになった様子も伺えました。

これからのこと

これから将来に向けてのビジョンと尋ねると、子どもの成長に合わせて柔軟に考えていきたいとのこと。いずれ、それぞれの部屋が必要なってくるような頃になったり、通学面で引越しを要することがあれば、シェアハウスを離れることにもなるけれど、当面はここの場所がベストだし、数年は住む予定だと笑顔で話してくれました。

さいごに

シングルマザー専用というと、どこか閉鎖的な印象を持つ人もいるかもしれませんが、彩さんの住む「MANAHOUSE上用賀」は、地域に開放していて男女問わず出入りが自由。オーナーや管理人さんをはじめ、他の入居者さんも前向きで自立している方ばかりで、近隣のシニア層をはじめ、応援したい大人たちが集いやすい間口の広さを感じられました。

そしてなにより、父親のことがタブーにならず自然と話題にのぼったり、子どもの前で父親の悪口を言わない配慮が伺えたり、「別居・離婚しても変わらず親子」という考えがベースにあるのも魅力。

離婚後の子育てや自身の人生と向き合うために、じっくり考えることのできるホッとできる場所。そして、そこは決して逃げ場ではなく前に進むための充電ができるパワーに満ちあふれた空間でした。

<ご参考>
シングルズキッズ株式会社「MANAHOUSE上用賀」

ABOUTこの記事をかいた人

しばはし聡子

中学生の息子と暮らす子連れ離婚経験者。面会交流に後ろ向きな思いを乗り越えた経験を生かし、離婚後の子育てや相手方との関わりで悩む親、そして子どもの一助となりたい思いから「一般社団法人りむすび」を設立。 現在、個別相談や面会交流支援に加え、講演や執筆を通して共同養育普及活動を実施中。

1 個のコメント

  • 初めまして。中学生男子一人いる50代の母親です。
    毎朝の生活に支障を来しています。夫からの暴言と無理解に精神的に限界が来て、口論が絶えず、そのせいか、子供が腹痛を起こして、身体に出ています。
    夫は、話し合いのたびに同じ話を繰り返し、堂々めぐりが続いていますので、話し合いも限界が来ています。
    今は夫の職場の供給する住宅に住んでいますが、別居を考えています。
    私自身、一見わからない障害がありますので、シェアハウスに住むことも、どうなのかと迷っています。
    今現在、費用の面で難しいのですが、何とか生活を確保したいと考えています。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

    日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)