「ひとり親家庭」という言葉があるように、日本では離婚すると父母のどちらかがひとりで子どもを育てるという風潮があります。
ひとりで育てるために自治体によるさまざまな支援があるなど、「ひとり親」は援助される立場という印象が強いですが、そもそも子どもにとって、親が離婚すると「親はひとり」になるのでしょうか。
単独親権の日本
日本は離婚するといずれかの親が親権をもつ単独親権です。
一方、アメリカなど多くの国は共同親権であり、離婚しても両親が育てるというのがあたり前の社会になっています。
離婚後はひとりで育てる?!
こういった背景もあることから、離婚すると、これからひとりで育てなくてはいけないと気が張っている人もいると思います。
そして、元夫の存在をなかったことにして、人生を再スタートしようとしている人もいるでしょう。
自分にとっては夫という存在はいなくなりますが、子どもにとっての父親も同時になくしてしまってもよいのでしょうか。
子連れ離婚の6割近くが会えていない現状
現在、法律では離れて暮らす親と子どもが定期的に会って交流をする面会交流権がありますが、実際、子どもに父親を会わせることが当たり前という認識にはまだまだなっていないのが現状です。
そのため、別れれば完全に縁が切れて、そのまま子どもと会わせないということが悪いことではないと思われがちです。
実際、子連れ離婚の6割近くが会えていないという統計もあるほど、交流が途切れてしまっていることが伺えます。
離婚前に知っておきたいこと
出典:pexels.com
子どもにとっては、離婚しても親は変わらず父親と母親それぞれひとりずついます。
夫婦関係がうまくいかなかったとしても、子どものために親同士として関わることが続くということを、離婚前に知っておくことが大切です。
別れた後だと心の準備ができていないまま、面会交流に直面し、会わせたくないという気持ちばかりが募り、結果して会わせないという流れになってしまいます。
離婚前に心構えをしておくことによって、会わせる前提でスタートが切りやすくなります。
親としての心がけ
別れた夫への葛藤がある中、親としてどのようなことを心がけておくことが大事であるかピックアップしてみました。
- 離婚しても元夫との関係は親として続くこと
- 親同士として関わるために心を整えること
- 夫婦関係と親子関係は別物であること
- 子どもを会わせず逃げていても解決しないこと
- 親同士として関わることが困難な場合は面会交流仲介支援の存在があること
このような心得を事前に知っておくことが子どもにとっても大切ですし、自分自身にとっても気持ちが楽になれるのではないでしょうか。
子どもの気持ちを考える
母親が嫌々父親と会わせていたり、会わせることを拒んでいる姿を子どもが見るとどのように思うでしょうか。
子どもは母親の様子を見て、会いたくても会いたいと言わないことも。
その言葉を真に受けて会わせないのではなく、会うのが自然なことという心構えで子どもに接することで気持ちを楽にしてあげられることも多いでしょう。
会いたいと言わない父親
一方、すぐに再婚をするなどして子どもに会いたがらない父親がいるのも現状です。
離婚しても再婚しても子どもにとっては唯一の生みの親であることは変わりません。
父親から愛情を受けずに育つのと愛されていることを実感しながら育つのと、どちらが子どもの健やかな成長を促せるでしょうか。
いつでも子どもが会いたいと思った時に受け入れられるように心の準備をするとともに会える環境を整えることが親として大事な責務です。
さいごに
離婚前に親としての心得があるかないか、知っているか知らないかで離婚後の親子関係が変わってきます。
「自分が関わりたくないから会わせない」ではなく、子どものためになにが大事なことかをあらためて考える機会になるとよいですね。
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