先日、役所の社会福祉課の課長さんとお話しをする機会がありました。
その際、「福祉や保健制度は本当に届けたい人にはなかなか届かず、むしろ若い人や働ける人が請求する場合があり頭が痛い」というお話しを伺いました。
日本の問題点を身近に感じた機会です。特にシングルマザーの人は、人一倍がんばり屋さんが多いのではないでしょうか? また、離婚の際に慰謝料を受け取りたくない人も多いと思います。
実は、私もそうでした。受け取ることで、元夫や元家族、関係者に、傷つくことを言われたくないと考えてしまいました。結局、尊敬できる第三者のアドバイスを数人から伺い、思いきることができました。
今では、財産分与を頂いて心より感謝しております。負けず嫌いな位の心の強さは必要ですが、時と場合により、人や国(制度)に甘えてもいいのではないでしょうか?
1:健康保険による給付について
一番身近な保険、それは公的保険である「健康保険」です。最近、民間保険の過剰加入が問題となっています。
それは、公的な健康保険がどのようなケースでどの位保障があるのか判らずに、不安のままに多額の保険に加入してしまうからのようです。ここは賢く、ご自身の保障内容を把握しておきましょう。
保険制度の給付は有難いことに全て非課税。そこも大きなメリットです。
所得税は収入により異なりますが、課税される所得が330万円~695万円で約20%。住民税が10%。かかります。
仮に5万円の給付金をもらえても手取り3万円と5万円では大きな差がでるのです。
【病気や怪我をしたとき】
~被保険者証で治療をうけるとき~
( )内は扶養者が受けられる給付
(1) 療養の給付
(2) 入院時食事療養費
(3) 入院時生活療養費
(4) 保険外併用療養費
(5) 訪問介護療養費
(家族療養費/家族訪問介護療養費)
~立替え払いのとき~
(6) 療養費
(7) 高額療養費
(8) 高額介護合算療養費
(家族療養費/家族療養費/高額介護合算療養費)
~緊急時などに移送されたとき~
(9) 移送費
(家族移送費)
~療養のため休んだとき~
(10) 傷病手当
【出産したとき】
(11) 出産一時金
(家族出産育児一時金)
(12) 出産手当金
【死亡したとき】
(13) 埋葬料(費)
(家族埋葬費)
【退職したあと:継続または一定期間の給付】
- 傷病手当
- 出産手当金
- 出産育児一時金
- 埋葬料(費)
※給付金額は各組合異なります。
給付金は家族にとっても安心
いざという時の給付金は、ご自身だけでなく家族も安心ができます。
しかし、国民健康保険は上記のうち、(10)傷病手当と(12)出産手当金は支給されないケースがほとんどのようです。それだけ考えてみても、会社員と自営業者では民間保険の加入内容や金額は違ってくるでしょう。
更に、会社員は組合ごとに付加給付といって、通常の給付より大きな金額が受け取れることが多いのです。家族のライフプランを考慮の上、転職をされた際は、保険の見直しをすることもおすすめします。
いろんな角度から検討してみる
何も保険の見直しとは「加入した方が良い」というだけではなく、「少なくしその分生活を豊かにする」という考え方も入ります。市区町村のサービスと併せてよく検討してみましょう。
年に数回は、情報豊富な役所(○○区役所・市役所など)へお茶飲みがてらに、情報収集に行かれると良いと思います。食堂や喫茶室が併設されている所では、素朴でリーズナブルなメニューに感動することもありますよ。
3:給付内容をのぞいてみよう
上記の(13)の給付内容は全てご存知でしたか?
私はFPの勉強をするまで、埋葬費や移送費などについては知りませんでした。ここで代表的な項目や意外な項目について、確認してみましょう。
入院時生活療養費(家族療養費)
入院時に病院で食べる食費も、照明や給水に関する費用も支払い請求されます。
しかし、65歳以上の療養病床(長期間に渡り入院が必要な患者のための病床)に要する費用は支給してもらえます。
- 一 般 →食費420円~460円(1食)/居住費320円(1日)
- 低所得者 → 130円~210円(1食)/居住費320円(1日)
保険外併用療養費(家族療養費)
歯科矯正や美容整形は保険の対象にならないことはご存知かと思います。その他にもいくつかの対象外の自由診療と呼ばれる項目があるのです。
しかし、医学の世界は日進月歩で進化しております。今の時代は、特定の大学病院などで、日々研究や開発がされ、実際に医療現場で実施されている医療技術があります。
そのなかでも、厚生大臣の承認を受けた技術は「先進医療」と呼ばれ、保険診療との併用が認められて、一部給付対象となるのです。
ちなみに、この内容については下記のHPで確認をしてください。現在、No1に掲載されている内容は、女性にとって大変嬉しい報告で「高周波切除器を用いて子宮腺筋症核出術」でした。必見です。
厚生労働省 HP「先進医療の各技術の概要」
尚、先進医療の承認は入れ替わりがありますので、ご注意ください。
高額療養費
重い病気や怪我などで長期入院、または長期に及ぶ治療で医療費が高額になった場合に、一定の金額を超えた部分が、後から戻されます。しかし、下記の要件がありますのでご注意ください。
・原則、同一月内(1日~月末)にかかった療養費が基準となります。
~例~
と 50,000円の10月度療養費
高額療養費の金額は所得により違います。そのため、一概にはいえないのですが、仮に上記2人が年間400万円の所得で、全ての条件が同じだった場合に、Aさんは高額医療費の給付を受けられますが、Bさんは受けられません。
特に自分で入院日や通院日をコントロールできる時は、初診日は上旬にした方がお得です。
尚、あらかじめ医療費が高額になることがわかっている場合には「限度額適用認定証」の発行を事前に受けていると、限度額以上の負担をする必要がなくなります。
尚、申請場所は会社員の方は会社窓口へ、また国民年金の方は市区町村の窓口までお願いします。
4:会社員もまんざらではありません
必要以上の保険の掛金は、生活に負担をかけますし、不足する保険は最善の方法で加入しないと、いざという時大変な思いをします。
現代人の我々は、一生涯同じ企業で働く割合が低くなってきました。
独立・起業を目指す人も多いと思います。
しかし、年齢や家族の状況によっては、企業に属するメリットも大きいのではないでしょうか?
また、アルバイトOKな会社も増えているようです。
ご自分のライフプランを3~5年位で見直し、「働き方の改善」を図るのと良策かと思います。
また、企業により保険組合の内容が違うとお話ししましたがこんなサイトもあります。
健康宣言企業
けんぽれん 愛知連合会HP
(愛知連合会からはエクセルのダウンロード」となります)
※上記以外地区については「けんぽれん ○○連合会」(○○の各地区を入力)で検索をかけてみてください。
さいごに
転職の際に、会社選びで迷った時に「けんぽ組合が健康な企業」という選択もありますね。
「もらえるものはしっかりもらう」ずるくなんかありません。
甘え上手に賢く生きてまいりましょう。
ただし多くの健康保険組合が財政難と言われる昨今、組合だから大丈夫ではなく各種お知らせなどには目を通しておきましょう。
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