「寡婦控除」という言葉を耳にしたことはありますか?寡婦とは死別や離婚後、再婚せず生活をする女性のことを指します。未婚のひとり親には、婚姻歴がありません。ですので「寡婦ではない」と判断され適用外となるのです。
2010年には未婚のひとり親が死別のひとり親を上回りました。このように現代の日本は未婚のひとり親が増加しています。婚姻歴により控除に差が出るという事実は、生活に直結する問題です。
これらは未婚で出産した女性に対する差別に当たるのではないかと議論されることも増えてきました。
このような現状を救うべく、地方自治体がそれぞれに「みなし適用」させ、保育料等の負担を軽減させる取り組みが行われています。その内容は自治体によってさまざまですが、年々「みなし適用」を行う自治体が増えてきました。
寡婦控除ってどのような制度なの?
そもそも寡婦控除とは何でしょう。納税者が下記のいずれかに当てはまる時、控除を受けられる制度です。控除額は27万円です。
- 夫と死別し、若しくは離婚した後婚姻をしていない人。もしくは夫の生死が明らかでない一定の人。扶養親族がいる人又は生計を一にする子がいる人です。
※この場合の子は、総所得金額等が38万円以下。そして他の人の控除対象配偶者や扶養親族となっていない人です。
- 夫と死別した後婚姻をしていない人。もしくは夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人。
※(注) 「夫」とは、民法上の婚姻関係をいいます。
そして、寡婦に該当する方が次の要件の全てを満たすときは、特定の寡婦に該当します。その時、寡婦控除の金額+α増額して控除を受ける事ができます。特定の寡婦控除の控除額は35万円です。- 夫と死別し又は離婚した後婚姻をしていない人。夫の生死が明らかでない一定の人。
- 扶養親族である子がいる人。
- 合計所得金額が500万円以下であること。
「みなし適用」されることによって減らせる負担とは?
例えば、保育所の保育料、ひとり親家庭支援、児童福祉費の負担金、放課後児童クラブ、小児医療、住宅支援などがあげられます。自治体によって「みなし適用」される内容に差があります。
そして、「みなし適用」で上記の支援が受けられても、未婚のひとり親に寡婦控除が適用されない事実は変わりません。けれども、「みなし適用」は未婚のひとり親にとってありがたいですよね。お住まいの自治体に問い合わせてみる事をお勧めします。
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