キャリアアップの先に辿り着いた想い・女性が会社をつくるということ

<女性の自立・キャリアアップ・4>

フリーランス、アルバイト、派遣社員、正社員という様々な働き方を経て、現在は会社の経営者という立場になりました。

社会人経験も浅いうちに結婚出産、離婚をした私は、働く女性として社会に戻り、そして憧れ続けて手に入れた「正社員」という立場。それを手放してでも、私には更にもう一歩、まだ「経験をしたことがないことを経験したい」と思う、野望があったのです。

出産後、再び働く女性として社会に戻ろうとした時に感じた違和感。
『何らかの事情により、「働く」というところから離れてしまった女性は、積み重ねてきたキャリアがリセットされ、「再び働く」というところに戻ったときには技能も賃金も立場も、もう一度積み重ねていく努力が必要となる・・・。』

いつまでたってもこの消化しきれない想いを、どうにか解消したいと思った矛先が「自分の会社をつくる」ということだったのかもしれません。




私が戦っていたのは自分自身であった

会社員から経営者という立場になり、過去、組織の中に居たときとは違った立ち位置で「戦う場所」を変えることとなるわけですが、後に気付いたのです。

私が戦っていたのは他の誰でもない、自分自身との戦いであったのだということに。

子どもはいつか、大きくなる

私が離婚した当時は4歳と3歳であった息子たち。
大きな怪我や事故もなく無事に2人とも成人し、今や社会人となっています。

座る時間もない頃に願っていたことは

毎日毎日、仕事と家事と育児に追われ、座っていられる時間もなく必死に生きていた頃。生活の中心となっている子どもたちを眺めながら「早く成長してほしい」と願っていた子育て期。

時間に追われ過ぎて「この時が永遠に続くのだろうか」とさえ思っていた大変なときも、過ぎてしまえばとても懐かしく感じています。

安定した収入を確保するために

子どもが学生だった頃は、ひとり親のシングルマザーである私は、どうしても安定した収入が必要でした。

有難くもその環境に身を置くことができ、決まった時に決まったお給料が貰えることに安心を感じる反面、恵まれた環境にいるからこそ、その想いが「当たり前」になってしまい、そこに居られる「有難みの想い」も段々と薄れていくのです。

どちらを選択するかは自分次第

『お給料は我慢料』とも言いますが、確かにそうであると思います。

雇われている以上は、すべてを口にすべきではないし、なにもかもが自分の思い通りになるはずがないのです。そこに納得がいかないのであれば、自分で自分の道を切り拓いていくしかないのでしょう。

もちろん、会社員であったときにどういった会社で働いていたのかも、重要ではありますが、「会社という組織体にいるのであれば」ということにすら気付けなくなっていた自分が、戦いの窮地にあったのかもしれません。

本当の意味の「女性活躍推進」を願う

ここ数年、『女性の活躍推進』と謳いながら、国が女性の社会進出を後押ししていますが、この風潮に違和感を感じている女性が多いということをご存知でしょうか。

なぜ、違和感を感じるのか?

それは、『女性の活躍』に伴った、根本的な意味での「女性が働きやすい環境づくり」が成されていないからでしょう。言葉だけが先走りしてしまい、名ばかりの『女性活躍推進』には、男女どちらも「やりにくさ」を感じていることでしょう。

性差別が当然のように行われる日本社会

私が会社員であったときには、「女性という性」が昇進の妨げになったり、「(女性だから)扱いにくい部下」であったり。

時には、勤務先の男性社長から「男性であれば右腕にする」といった発言を聞かされたこともありました。

男性とまったく同じ業務、あるいはそれ以上をこなしながら突き進んできただけに、その時は「女性というだけで、なぜ?!」という腹立たしさを感じずにはいられませんでした。

しかしながら私が私自身を支え、今の私があるのは、その時感じた想いがあったからかもしれません。

イコール能力がないわけではないのだけれど

『子育て中の女性であっても、「子どもがいるから」ということが理由になるほどこの日本という国の社会は、甘くはない』と、覚悟を決めて働き続けてきたという信念が、私にはあります。

子育てしながらも、仕事に手を抜くことなく人並み以上に頑張ってきたという自負があります。

「お子さんが熱を出したから、迎えにきてほしい」と保育園や学校から連絡があっても、子どもが熱を出して学校を休んでも、「子どもが居るから」と職場を後にしてしまうのは、「自分に能力がない」と、言っているような、なんだか負けを認める様で嫌だったのです。

ようやく一歩離れた場所から眺められる様になった自分

そんな思いで走り続け、ずっとずっとこの世の中と戦い続けてきたような気になっていたのかもしれません。

今は、年齢を重ねてきたからか、あるいは「経営者」という立場になったからなのかはわかりませんが、会社員という立場を卒業した現在は、一歩離れた場所から自分の置かれている立場や、社会全体を眺められる様になった気がしています。

女性は男性の3倍働いてこそのポジション

当時は、「女性は男性の3倍働いてようやく女性がその位置に立つことができる」と思っていました。

「仕事」「家事」「育児」の3足のわらじを履いて挑むのが女性。
認められて当たり前の位置にいるのが男性。

様々な経験と役割をしてきた今、振り返ってみれば、きっとどちらも大変なのです。

女性だから、男性だからではなくお互いが認め合い、足りないところを補い合うことができれば、日本という国は、もっともっとよい時代を継続することができたのではないだろうかと思います。

ずっと何かを守っていくという、この想い

会社員という「守られていた立場」を卒業し、「会社を経営する」という立場に立った今は、「会社に関わってくれる自分以外の人を、守らなくてはいけない」立場となりました。

人の親である以上「子どもを守る」という役目は、永遠に続くのでしょうけれど、それとは別の「自分以外の誰かを守る」という気持ちを持てる側になれたということに、とても有難く感じています。

自分と周りを幸せするための闘い

人生という時間はとても短い。「この時が永遠に続くのだろうか」と思っていた子育て期は、一瞬にして過ぎていってしまいました。

雇われる側、雇い入れる側のどちらも経験することができた私は、もう誰とも戦ってはいません。

強いていうならば、自分自身を奮い立たせるための闘い。周りの人をも幸せにするための闘いであると、確信しています。

女性のキャリアアップとは

密かにでも野望を持つ女性は、女性であるが故に根強い反骨精神を持っている人だと思います。

どのタイミングで外に飛び出るか、それは人によって様々で、いろいろ考えた結果、飛び出さない選択をする人もいることでしょう。

キャリアアップの手段や目的は人それぞれ。キャリアアップとは、その立場を指すのではなく、その人の心構えやあり方が常に向上していれば、それは間違いなく『キャリアップ』なのです。

女性が会社をつくるということ

今まで積み上げてきた生き方と生きながらにして学び得た能力を使い、それを次世代に向けて形として残していくという手段が、「広い社会に向けて貢献していく」という意味であると感じています。

よって、世に残していきたいと思うことが「使命」として感じることができれば、女性であっても、会社をつくり社会貢献しながら、キャリアを積み上げ続けていくということができるのではないでしょうか。

さいごに

女性には、女性特有のマネジメント力があります。

子育てそのものが人生におけるマネジメント。まだまだ今の日本における女性の立場は、真っ向から戦うだけでは勝負に勝てない。

手の内に入ってこそが、女性がキャリアアップし続けられるコツであるのではないかと、様々な経験を経て感じています。

 

<女性の自立・キャリアアップ・1>
<< ★ シングルマザーになる前に感じた『女性が働き続ける』ということ

<女性の自立・キャリアアップ・2>
<< ★ シングルマザーとして働いてきた経験!「点が繋がり線となっている」

<女性の自立・キャリアアップ・3>
<< ★ 年収500万円超!子育てしながらシングルマザー正社員の道へ

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