離婚を決断するにあたり、切っても切り離せないのが生活基盤を支える経済面。
私が離婚を決意したのは正社員20年目にさしかかろうとしていたときでした。
その後、ある転機が訪れ、今まさに正社員を卒業することを決意し新たな道を歩み始めています。
人生はたった一度、必要とされていることに専念しようと決断したその道のりは?!
そんな私のシングルマザーとして就労に関わる体験談を、ご紹介させていただきます。
人間関係や就業条件にも恵まれていた正社員時代
大学卒業後から同じ職場で22年。
人間関係や就労条件などに恵まれ、産休・育休を経て復職後も時短勤務制度も取得。離婚の危機が訪れた際も乗り越えることができたのは、「明日は調停なので会社を休みます」と言いやすい職場の人たちの支えがあったからこそ。
その後も、自ら離婚をタブーにすることなく周りに騒ぎ立てられることもなく、決して高くはありませんが安定収入を得ながら仕事と育児を両立することができていました。
「新しいことなんてしない方がいい」と言われ続けていた結婚生活
私自身、就職した当初から常に「自分しかできないなにか新しいことをしたい」そんな思いを胸に抱き続けていました。
当時お付き合いしていた彼がのちの元夫となるわけですが、私がなにか変化を望もうと相談すると、「絶対に今の職場にいた方がいい」と説得させられ環境を変えることができずにいました。元夫は私が環境の変化についていけず不安定になり家庭にも影響が及ぶと危惧したのでしょう。
変化を恐れる自分に
「絶対に辞めるな。世の中そんなに甘くない」と事あるごとに言われ続けていた私は自分に自信がなくなり、いつの日からか「私は環境の変化に対応ができない人間なんだ。このまま定年まで過ごすのが正しいんだ」と思うようになっていました。
離婚後、タダでは起きたくない!
そうこうしている間に離婚の危機が訪れます。皮肉にも「会社を辞めるな」と勧めた夫のおかげで経済的な不安もなく離婚に踏み切ることができたわけですが、離婚の傷も癒えた頃にこう思うようになりました。
「この離婚、タダで起きてたまるものか」。そうです。
シングルマザーとなってから、20代の頃から心の奥にしまっていた野心が沸々と蘇ってきたのです。
自分の経験で人の役に立つことができれば
弁護士を選ぶこと、調停申立すること、家庭裁判所に行くこと、公正証書をつくること、すべて初めてなことばかり。誰もができる経験ではありません。
また、自分自身もっと話し合いをすれば離婚は避けられたのではないかという思いもあり、自分の経験を糧に夫婦問題で悩む人の役に立てるようになりたいと思うように。
その後、半年程かけて夫婦問題カウンセラーの資格を取得し、相談業務を手探りで始めることになります。
面会交流の問題に直面し使命を確信する
離婚問題に触れていくなかで、自分がまだ乗り越えていないことに気づかされます。それは「元夫と円滑に連絡を取り合い子どもを会わせること」。
元夫への恐怖感が拭えず、子どもを会わせることに極めて後ろ向きだった私は、なんとかして克服をしたい思いから面会交流の仲介支援のボランティアを始めるようになります。
当事者支援をすることで自分も快方に
以来、面会交流に対する気持ちが前向きになると、子どもが笑顔で気兼ねなく父親と会えるようになり、私自身も元夫との関係性がみるみる快方に向かっていったのです。
とはいえ、一度壊れた夫婦が関わりを持つことはそんなに簡単なことではありません。
私自身、面会交流に後ろ向きだったのが前向きなれた当事者であることから、その経験をもとに、会わせたくない親の気持ちと会いたい親の気持ち、両者をもっと理解しお互いのきもちの架け橋になるべく、それぞれからの相談を受けるようになります。
また「離婚して夫婦は破綻しても親子関係は変わらないこと」「離婚前に親が心持ちを整えること」をSNSを通して発信するようになりました。
そして、このような当事者支援をすればするほど自分自身も驚くほど快方に向かっていくことを実感しました。
覚悟を決めて一歩を踏み出す
面会交流促進を提唱する同居親が数少ないこともあり耳を傾けてくれる人が徐々に増え、現在は、同居親・別居親それぞれ向けの相談業務を中心に講演や執筆活動なども行っています。
正社員という立場上、これまで職場には公言せず活動を進めていましたが、さらに発信し面会交流普及を拡げていきたい、もっと時間をかけてじっくり取り組んでいきたいといった思いが日に日に強くなり、正社員を卒業し「離婚・面会交流コンサルタント」として面会交流支援に専念することに決断した次第です。
元夫や子どもが応援してくれていることが励み
もちろん正社員を辞めることには迷いもありましたが、経済面でのベースに養育費があったことも決断の後押しになったので、会社を辞めて専念することを事前に元夫に報告しました。
元夫には内緒で始めていたことだったので、「そんなこと無理だから辞めろ」と後ろ向きなことを言われる覚悟をしていたのですが、「心から応援する。困ったことがあればいつでも相談して」と激励の言葉が届いたのです。
嬉しい応援
離婚当初を思い出してしまうのではないかという懸念があり詳細を伝えることを後回しにしていた子どもへの報告。
きちんと説明すると「お母さんすごい。頑張ってね!」と言いながら関心を持ち、私の名前をネット検索し活動内容を読み上げてくれるほど。
折に触れ、面会交流に対しての子どもの立場としてのきもちを話してくれるなど、子どもと話すことで気づきを得る機会にもなっています。
さいごに
元夫と子どものエール、そして支えてくれている方々、必要としてくれている方々の思いを胸に、「親同士の心の架け橋となり子どもの笑顔を守りたい」そんな思いでこれからもじっくりと歩み続けます。
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