人が素直になれる瞬間を垣間見ることができる介護職で得たもの

シングルマザーになって目下の課題は仕事。どうやって子どもを育てて行くか=「お仕事」でした。

折り込み広告・WEBの求人案件を見たり、そしてハローワークにも出向き就職活動。気になるのは雇用形態。いろいろ考えたけど「やっぱり正社員かな」とその時は、思いました。

当時の私は正社員=安定のイメージが強かったので、その位置を目指してともかくチャレンジあるのみ!




挑戦してみるも・・・

しかし、世の中そんなに甘くはなかった様です。履歴書を送っては、不採用通知が郵送で届き、そんな繰り返しで落ち込むことも。

元夫に言われた「お前みたいな何もないやつを何処が雇うねん」という言葉が胸をえぐった日々でした。

現実を知った

確かに甘かったし、これは当然の結果なのかもしれない。私には何の職歴も資格もない。
こんな社会経験もない30歳を過ぎたシングルマザーを雇うことは、企業からすればリスクかもしれない。なんて思いながらも、惨敗する結果が本当はめちゃくちゃ悔しかったのです。

「私は何もないやつじゃない!今までも、今も私は手を抜いて生きているわけではない」主婦業をしながら、子どもも産んで育児もして、そんな渦中の中病気もしてしまい、社会経験は確かにないけれど、誰に恥じることのない生き方をしてきたつもりでした。

一番悔しかった想い

働きたい想いはたくさんあるのに「面接さえもしてもらえないなんて」会ってくれさえすれば想いを伝えられるのに」と何度も想ったことでしょう。

けれど、こちらの事情なんて企業とっては関係のないこと。その理屈も本当はよくわかっていたけれど、『履歴書という紙1枚で判断される世の中なのだ』と、社会の仕組みや実情を目の当たりにし、そしてそれを痛感しました。

考えた結果の次に取った行動は?

惨敗続きに対して考えた結果、選択した職種は「長く続けられて需要があるもの」。みなさんも仕事を選ぶ時には、何を優先にして選ぶのか、そのための順位があると思います。

例えば
・給与 ⇒ 賃金が希望とするものか
・休日 ⇒ 土日曜日の休みが取れるか
・残業 ⇒ 保育園の迎えに間に合うか

今だったら、「そんな悩まなくても」と思いますが、当時はすべてが不安の塊でした。
そんな私が挑戦しようと決めた行動は、「ホームヘルパーと介護事務の資格取得」そして就活をはじめることにしたのです。

得たもの、経験

資格取得の研修で介護施設や利用者の方のお家に伺って、介護の実務。その時に知ったことは「超高齢化社会」の現実でした。

介護職とひとことで言っても、その内容には様々な業務があり施設によっては、要介護度も違い、そのために介助の方法で求められることも違ってきます。

介護の仕事に面接に行くと聞かれること

介護施設で就職が決まるまでにも、何件か面接に行きましたが、その時必ず聞かれるのは「子どもの年齢と、子どもが急病の時はどの様に対応しますか?」でした。

子どもが居ても当然お仕事はお仕事なので、雇用する側となれば子どもの体調不良などで突然休まれる可能性を懸念します。

恵まれた環境に大感謝

しかしながら、私の場合は、離婚後実家住まいでしたので何かあればお迎えも代わりに両親が行ってくれました。子どもが発熱した場合でも私の両親が看てくれることも多かったため、実際あまりお仕事に影響なく過ぎました。

ひとり親家庭で母子だけ、父子だけのご家庭も多く、あるいは共働きでおられる夫婦の方でも、子育てを手助けしてくれる家族が居るか居ないか、これは大きな差があると思います。だから自分は、有難い環境であったことに今も感謝しています。

デイサービスでのお仕事がスタート

いよいよデイサービスでの勤務が決まりました。

デイサービスには、車椅子を使用している方や、認知症の方もみえます。いつも不安を訴えてらっしゃる方もみえるので、「大丈夫、もう終わったよ」「大丈夫、こっちにあるよ」というふうに必ず「大丈夫ですよ」ってお声を掛けます。

認知症の症状のひとつ

認知症という症状の中のひとつに、感情を伴う記憶が残やすくなるという症状があります。それには、脳の動きが大きく変化するということが原因らしいです。

「自分が年老いてどういう感情で生きていくか?自分にはどんな感情が残るんだろう」など、色々と考えさせられるお仕事でもありました。

人生にはそれぞれのバックボーンがある

80年、90年と生きてこられ創り上げて来た人生。たくさんの方と出会いながら、感じた日々の中でも必ず人は老いていきます。

デイサービス利用者の方々は、今でこそ毎日同じ場所でお会いするけれど、「それぞれ違う人生を生きてきた」のです。

「毎日家に居づらくてこの場所に来ている方」「毎日楽しみで来られている方」環境、経済的なこと、家族関係のこと、など数え上げればきりがありません。

そんな中で「私はどんなふうに年老いていくのだろう」そういうことをよく考えるようになりました。

仕事の中で見えてきたもの

介護のお仕事は本当に素晴らしくまた大変でもあり、人間のあらゆる部分が見える心に寄り添う尊いものでした。

仕事はハードでしたが、今となれば楽しい思い出が多く、日中を一緒に過ごすデイサービスでしたので、みんなで歌を唄ったり、笑ったりして楽しく過ごす毎日。花見などのイベントごとも楽しみました。
企画して人前で話す経験も、この場所で始めてさせていただくことができました。

人間らしさ

お年寄りの身体は繊細です。ついつい自分の親のことを重ね合わせてしまうこともあります。

いくつになっても女性は女の子で男性は男の子。女性は「可愛い」という感覚で喜びを見出し、男性は「頼られる」ことがとても嬉しいのです。そんな人間らしさを感じながら、毎日あっという間に過ぎました。

体力の低下から思ったこと

この時の私は、今より身体の調子がよくなく、仕事から帰っては横になり、体力的に疲れてイライラしている事が多く凄く精神的に不安定でした。

その時思った感情は「子どもって私を見て育つよね。こんな私で良いのかな?」「子どもとの生活を充実させるってどういうことなのかな?」と、日々思いながらも仕事をフルでこなせない、自分の身体が不甲斐なくて悲しかった感情を覚えています。

それまではともかく「シングルマザーだから働かないといけない!」と思い込み、けれど介護のお仕事をしているうちに心も身体も「健康」であることの大切さにもあらためて気がつきました。

様々なことを感じることができたとき

子どもへの想いもこのときに、たくさん膨らみました。子どもにももちろん、健康でいてもらいたい。

健康をベースとして「大人になることが楽しみ」と感じてもらえるように「やりたいことはどんどんチャレンジしてもらいたい」「人生は自分で選んでいけること」を私自身が、身をもって伝えていこうと思いながら、介護職を辞めてしまった現在も子どもと一緒に毎日楽しく過ごしています。

さいごに

今は、どこかに勤めて働く事よりも、やりたいことができるという理由で「起業女子」が流行っている様に感じます。だけど私は、主婦でもシングルマザーでもどの場所にいても、何をしていても充分輝けると思います。今に至るまでを感謝して、今に感謝出来て、自分に素直に生きていれば充分に輝いた女性です。

わたしもずっと「何かになろう、何かにならなきゃ」と思いながら生きてきましたが、そんなことよりも一番大切なこと。「どういう想いで生きているか。大切な人を大切に出来ているか」という、人としてのあり方の方が大切だと思えるようになりました。

私もこれから、子どもの行動の幅を自分の価値観で決め付けないように。目の前のことを一生懸命できる大人であるよう、今やっている仕事と向き合いたいと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

吉田由香利

可愛さは内面から♡清く正しく豪快にっシングルマザーをしています。子供は私の背中を見て育つから人生を諦めなくなりました。離婚・病気すべてが価値観を変える感謝の出来事です。経験や活動が誰かの何かのキッカケになる☆ラジオパーソナリティをしながら笑顔の連鎖プロジェクトで活動中。

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