別れた夫に声をかけるかかけないか?!どうする子どもの学校行事

お子さんがいるご家庭では、授業参観・運動会・学芸会など、年間を通しての学校行事はたくさんありますね。

こういった学校行事、みなさんは離婚後、元夫に声をかけていますか?一切関わりを持っていない人もいれば、離婚後も普通に会話はできる人、さらには運動会で一緒にお弁当を食べることができる人など、事情によって元夫との関わりは様々だと思います。

では、子どもはどのように思っているのでしょうか。学校行事を通して離婚後の親子関係をみていきましょう。




授業参観は誰のためのもの?

授業参観は親が子どもの様子を見るためのものだと思われがちですが、子どもにとっても友達関係において大切なイベントです。

父親の参加率が高い授業参観

イクメンという言葉が当たり前になっている現在、子育てに熱心な父親が増えたことからか、授業参観に行くと平日にもかかわらず、夫婦揃って参加している保護者をよく見かけます。なかにはお父さんだけという姿も。

親のための授業参観

親にとっては、学校生活を垣間見ることができるとても貴重な機会です。

授業中の様子はもちろんのこと、友達との関わり、休み時間の過ごし方など、家では見せない一面を知ることができるなど、知っておくべき情報を多く得ることができるため、授業参観は今後の子育てに役立てるためであり親のためのものでもあります。

子どものための授業参観

一方で、子どもにとっては、友達の親を見ることができる楽しみなイベントでもあります。

自分の親が来ているかはもちろんのこと、他にも誰の親が来ているか、どんな親なのかなど、興味津々で教室の後ろを振り返り、授業中も気が気ではありません。

また、年齢が上がるにつれ、授業参観が終わった後に、自分の親が友達からどのように言われるかなど、評判を気にするようになることも。

自分自身を見てもらうことだけではなく、自分の友達を親に知ってもらうと同時に、友達に自分の親を知ってもらう重要な機会となるのです。

元夫に声をかけるかかけないか

離婚がもめればもめるほど、元夫と関わりたくないあまりに、学校行事の連絡をしないということもあると思います。

声をかけたら会ってしまう可能性もありますし、なにより連絡をすることでの摩擦やストレスをこれ以上増やしたくないといった思いもあるでしょう。

または、元夫を喜ばせたくないといったこともあるかもしれませんね。

では、離婚後突然学校行事に父親が来なくなることに対して、子どもはどのように感じているのでしょうか。

父親からの愛情に不安を感じることも

今まで毎年来ていた父親が急に見に来なくなったとしても、子どもは母親の顔色を見て、「お父さんにも来てほしい」とは言えないどころか、「お父さんは自分のことを見に来たいって思ってないんだ」と、愛情がなくなってしまったと不安になることもあるのではないでしょうか。

さらには、いずれ母親がわざと連絡をしていなかったことに気づき、母親を軽蔑するといったこともあるかもしれません。

愛するわが子にしてはいけないこと

自分にとっては縁のなくなった夫であっても、子どもにとっては父親であることは変わりません。

両親が離婚をして寂しい思いをしている子どもからさらに、父親の愛情を制限してしまうようなことをすると、母親である自分自身が「誰よりも愛するわが子」を苦しめてしまうことになってしまいませんか?

思い通りにはならない子どもの気持ち

数年経って気持ちも落ち着き、元夫を呼んでもいいかなと思い立ったとしましょう。

ずっと来なかった父親が急に来ることになると、子どもはどのような気持ちになるのでしょうか。

離婚して父親はいないという認識をしながら友達と過ごしているため、今更来られても友達に見られると気まずいといった思いになり、来ることを拒むようにもなりかねません。

その時に悪いことをしたと後悔しても、子どもの気持ちは簡単に思い通りになるとは限らないのです。深く傷つけた上に、父親を拒絶するような気持ちにさせてしまう可能性もあるのです。

行事嫌いにならないために

年間通してたくさんある学校行事。保護者が見に来る行事があるごとに、子ども自身が行事を楽しみに思えずストレスになってしまう場合もあります。

例えば父の日の手紙を学校で書いたとしても、父親に渡すこともできず架空で書くことしかできないといった辛い思いをするでしょう。そして、その辛い思いを母親に言うこともできず、父親に伝えることもできず、友達にも言えず、ひとりで抱え込むことになってしまいます。

父親の存在をタブーとせず、家庭で自由に話せる状況を整えてあげることもとても大切ですね。

さいごに

顔を会わせたくないから学校行事に呼びたくないという気持ちもわかるところではありますが、時間をずらしたり、行事のお知らせを写真で送るだけなどにすれば、最低限の関わりのみで声をかけることはできなくもないはずです。

元夫の子どもに会いたいという望みを叶えるためと思うと後ろ向きになってしまいがちですが、あくまで子どもが喜ぶため、寂しい思いをしないため、そして子どものために親が成長を知るためと割り切って、離婚しても子どもにとって変わらない環境を保ち続けるよう心がけられるとよいですね。

ABOUTこの記事をかいた人

しばはし聡子

中学生の息子と暮らす子連れ離婚経験者。面会交流に後ろ向きな思いを乗り越えた経験を生かし、離婚後の子育てや相手方との関わりで悩む親、そして子どもの一助となりたい思いから「一般社団法人りむすび」を設立。 現在、個別相談や面会交流支援に加え、講演や執筆を通して共同養育普及活動を実施中。

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