不登校児童が社会復帰を諦めずに通信制高校に挑戦するまでの道のり

ひとり親家庭が増えてきているといわれる昨今。
両親が揃っている、いないに関わらず、お子さんが「不登校児童になってしまった」というご家庭も、今の時代多くあると思います。

夫婦でいても「子どもが不登校になってしまった」場合、親としては心配な出来事には違いないと思いますが、話あえるパートナーがいるということは心強いことでもあると思います。

例えば、ひとり親である、シングルマザー・シングルファザーの親御さんはこういうとき、どうされているのでしょうか。ひょっとすると、ひとりで抱え込むことが多いのではないでしょうか。

私は【不登校児童の「今」とこれからの「可能性」・親としてできること】の記事でも執筆させていただきましたが、不登校児童になってしまった当事者です。

現在私は19歳という年齢ですが、お子さんの進路や将来のことでお悩みの親御さんや、あるいは「不登校児童」となってしまった当事者の方のお役に立つことができればと思い、執筆させていただくこととなりました。

多くの方にこの記事が届きます様に・・・願いを込めて。




毎日通う場所だけが学校ではない

皆さんは高校と聞くと、やはり毎日通うことを想像する方が多いかと思います。

しかし、今現在においては週に1回から年に1回の通学で高等学校卒業の資格を得られるという「通信制高校」が沢山設立され、CMなどのメディア媒体でも多くみられるようになりました。

Ⅰ. 通信制高校に通うことへの経緯

私は、現在ある理由で学校に行けなくなってしまい、高校での単位が足りずに全日制の高校から通信制の高校に転入学をし、今卒業に向けて歩んでいる最中です。

不登校になってしまった当初は、通信制高校に通うことは全く考えていませんでした。それには、知識不足というのもありましたが、なにより普通の高校と違うイメージであることと、自分自身「ひょっとしたらまた全日制の高校に通えるかもしれない」「同級生と卒業式に出たい」という頑固な意地みたいなものがあったのです。

だからCMや広告媒体で高校の存在を知ることはあっても、自然に耳に入れないようにしていたのかもしれません。

卒業式に出られなかったときの想い

でも、次第に同級生のみんなは進学を決め、卒業し、私は結局みんなと同じ卒業式には出ることはできませんでした。

留年をし、この高校に通うとなれば一つ下の学年の生徒と同じ授業を受けることになります。私は元々人間関係が苦手だったのもあり、年が違う生徒たちとのコミュニケーションを取ることに大きな不安を抱え、その道に進むことは難しく、一人で悩んでいました。

進路の先生の進めもあって

そんな私に、進路の先生がたくさんの通信制高校のパンフレットを見せてくれ、「違う道も頭に入れてみたら?」と言ってくれたのです。

パンフレットを熟読して知ったこと

私は家に帰りパンフレットを熟読しました。

驚いたことは
・沢山の学校が存在していること
・ネットで授業を行う学校があること
・様々な支援にも対応していること
・卒業資格は普通高校と卒業するときに得られるものと変わらないこと
・学校に行く日数は生徒の都合に融通が利くこと

こんなにも幅広くサポートを充実させているのかと思い、それと同時に「無理に他とのペースに合わせることはないんだ」と感じ、さらに調べれば調べる程、再び卒業することへの意欲が湧きました。

両親とも話し合いながら決めたこと

その後、私は沢山の高校に単位の取り方などに関しての問い合わせをしてまわり、時には両親にも時間をかけて話し合いをし、通信制高校への転入という道を決めました。

大人の理解が初めの一歩に繋がる

きっと進路の先生の言葉と両親の後押しがなければ前に進むことすら考えていなかったのかもしれません。

私は幸いにも両親に話すことが出来ましたが、悩んでいたりする時親へは相談できずに一人で抱え込んでしまい、一歩を踏み出せずにいる子どもも多いと思います。
そんな時、大人の理解ある一言が子どもの大きな一歩に繋がることもあるのです。

Ⅱ. 通信制高校の種類や選び方

上記の通り、通信制高校は毎日学校に通うことなく、リポート(提出プリント)を学校側に送付することによって単位を履修し、高校卒業資格が取れる高校のことですが、今では沢山の高校が創立されています。

私も先生からもらったパンフレットだけで5校ほどあったのですが、調べてみると全国で約230校もあるのだとか。

種類が分かれている

一概に通信制と言っても、種類があります。

・在籍している県で学べる狭域私立校
・遠くても該当する地域に住みながら通える広域私立校
・国または県が設立し、狭域私立校と同じく県に居住している地域の生徒が通える公立校

地域の分野だけでもこれだけ分かれていますし、最近では学校法人だけでなく株式会社が得意な分野の学科に特化した専門学校の様な高校も増えてきました。

選択肢が多すぎると迷うことも

様々な選択肢が増え、生きやすく嬉しい社会になった反面自分はどこに進めばいいのか、迷い悩みこんでしまうことも増えてくるようになったと思います。

私もはじめパンフレットを読んでいた時は選択肢が多すぎて頭が混乱してしまったのを覚えています。

自分が行くための目的と条件を決めてみる

そんなとき、私が注目したのはスクーリング(学校に行く日)の日数と学費でした。

最初に自分の可能な日数を決め、学費の予算を決めました。そうすれば、パンフレットのそのページだけを見比べれば簡単に絞り込むことができます。

条件に合った探し方

今ではホームページを独自で作っている学校や、通信制高校を沢山紹介しているサイトもあるのでネットの検索欄に「学費○万 通信制高校」などのワードをいれて検索すると見つけやすいのかもしれません。

信頼できる大人への相談

周りの信頼できる大人に相談するのも一つの大事な方法です。

もちろん自分で決断することも大事なことですが、それに固執し、自分を追い込んでしまっては元も子もありません。

親や親せきなど信頼できる大人に話を聞いてみましょう。自分の出来る範囲を話し一緒に考えることで周りの貴重な意見も聞くことが出来ます。

しかしながら、私はあくまで、進路は「自分の進みたい道」を優先してほしいと考えます。自分の決めた道で責任をもって通うことも社会生活に進む糧になると思うのです。

Ⅲ. 単位を履修する方法

普通校では授業に出席したり、テストを受ける事によって単位を履修するのが基本なのですが、通信制高校で単位をとるには毎日の授業がない代わりに、レポートという提出書類とスクーリングというものがあります。

レポートとは

レポートとは、教科書を見ながら書かれた問題を見ながら解いていくプリントのようなリポートと、テレビやラジオ、動画サイトでアップされている映像や音声を視聴しながら、その授業の内容、感想を書くという視聴報告書という2種類をそれぞれ専用用紙に書いて、学校宛に送ることによって単位を修得することが出来ます。
プリントの量や内容は取得する科目や履修するべき単位によって変わってきます。
私は、自分でコツコツやるタイプだったのですが、レポートについてわからないところがある場合は、近くにあるサポート校などで開かれている説明会などに参加が出来たり、電話はメールで教師とやり取りすることが出来たりと、離れていても学校はちゃんとサポートしてくれているので安心して勉学に取り組むことが出来るのです。

スクーリングとは

スクーリングは、短期間学校の講義に参加することを指します。これも単位を取得するうえで必須なものなのですが、私は正直スクーリングにはいきたくありませんでした。

私が転入した高校は年に一回のスクーリングだったのですが、それが合宿制なのもあり気が進まず、転入を踏み出す足が重かった理由の一つだったのかもしれません。

とにかく聞いてみる

そこで、高校に実際問い合わせてみたところ、「合宿制が主だが、5日のものを月1回とかに分けて通うこともできますよ」とのことでした。

理由としては、もうすでに社会に出て働きながら卒業資格を目指す人には連休をとることが難しいため、そういう融通もとれるそうなのです。私はそれを聞き安心して転入することが出来ました。

スクーリングは、勉強するだけでなく、生徒同士や教師と交流を図ることも目指しています。その為、学校側はさまざまなレクリエーションを用意しており、生徒が参加しやすいよう工夫が施されています。

さいごに

今回は通信制高校について書いてきました。

この記事を読んでくださっている方は子どもを持つ親御さんであれば、お子さんが不登校児童になってしまった場合の対処法として参考にしていただければと思います。

もし、あなたが不登校児童当事者で学校に行けなくて、なじめずに中退して諦めかけてしまっていても、この記事でこういった道もあることを知っていただければと思っています。そして、少しでも社会復帰をするきっかけを見つけてくれたら幸いです。

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