【子どものきもちケア】離婚してもパパもママも大好きと言える環境に

子どもにとって親の離婚は、人生の中で突然起きてしまった大きな出来事であるくらい、重要なことでしょう。

「僕は(私は)この先どうなってしまうの?」
「もうパパと一緒に住めなくなるの?」
「パパと会えなくなってしまうの?」
小さい胸を痛めながら相談する人もおらずひとり苦しんでいるかもしれません。

親の離婚で、傷つけてしまっている子どものきもち。
これ以上傷つけないために親がすべきこととは。

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「子どもの気持ちファーストに」離婚・再婚における実父との関係は?

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大人は相談する相手がいるけど子どもは・・・

夫の不満や文句はママ友などに話してスッキリするなんてこともありますが、いざ離婚の相談となると相談する相手選びも慎重になりますよね。

とはいえ、私たちは、信頼できる友人や親または専門家など、つらい気持ちを聞いてもらったり今後すべきことなどを相談する相手を見つけることができます。

子どもの目線は

では、子どもはどうでしょうか。
年代にもよりますが、ある程度物の分別がわかる年頃であれば、両親の喧嘩が絶えなかったり親同士が一切口をきかないなど、家庭環境が不穏な空気に包まれていたら、たとえ居心地が悪くても一生懸命その空気の荒波をたてないようにやり過ごすようにするでしょう。

兄弟姉妹がいれば悩みを共有できるかもしれませんが解決することは困難です。

ましてや親の離婚ともなると、どうすることもできません。
本当は一番なんでも話して頼りにしたい相手は親のはずなのに、当の親が当事者であるわけですから、誰にも相談できなくなってしまいます。

ひとりで抱え込むしかできない子どもは、親よりも何倍も辛い思いをしているのではないでしょうか。

これ以上不安なきもちにさせないために

夕暮れ
出典:gahag.net
離婚問題の渦中にいると、子どもの気持ちを優先しなくてはと頭ではわかっていても心がついていかないこともあるでしょう。

それでも、分別がつく年頃であれば、隠したり曖昧にし続けするよりも、状況説明をしてあげることも今後の親子の信頼関係を築くためにも大切です。

「パパとママ、どうしても仲直りができなくて一緒に住むことができなくなってしまったの」

離婚という言葉を使わなくても、一緒に暮らすことができなくなる事実はきちんと説明をしてあげることで、辛い思いは消えないものの漠然とした大きな不安がそれ以上大きくならないのではないでしょうか。

伝えることで大事なこと

「このまま会えなくなってしまうの?」
「パパに捨てられちゃったの?」
「僕(私)のせいでパパはいなくなっちゃったの?」

そんな風に思いを巡らせないためにも、なにより大事なことは「パパとママは仲直りできないけど、パパはずっとあなたのことを愛しているし、いつでも会えるから心配しなくていいんだよ」と伝えてあげることです。

もちろん、子どもに対して心身ともに危害を与える父親であれば会わせることには慎重に考えなくてはなりませんが、父親からの変わらぬ愛情を伝えることは、気持ちを少しでも楽にしてあげるために大切なことではないでしょうか。

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母親がしてはいけないこと

母娘
出典:pexels.com
相手への不信感や嫌悪感が募るあまりついやってしまいがちですが、してはいけないことをみていきましょう。

父親の悪口を子どもに言うこと

「パパのせいで離婚することになったのよ」
「パパのような大人になっちゃダメよ」
「パパのこういうところがママは大嫌いなの」

子どもが聞いたらどんな思いをするでしょうか。
「パパのこと好きだけどパパのことをかばったらママが可哀そうかな、ママに怒られるかな、パパのことを話すことははやめておこうかな」など思いを巡らせます。

しまいには何度も悪口も言い聞かされていると、「パパって本当に悪い人なんだ」と存在を拒絶するようになってしまうこともあります。

故意的に子どもを父親と会わせないようにすること

子どもに悪影響を与える父親でないにもかかわらず、相手に子どもが懐くのがおもしろくない、相手を喜ばせたくないなど、相手に対する憎しみがあるがばかりに故意的に会わせないようにすることは、子どもが愛情を受ける機会を親自らが失わせることになります。

親の離婚で寂しい思いをしている子どもから、父親を奪って本当によいのでしょうか。
子どもは、本当は会いたがっていませんか?
会いたくないと思わせるように仕向けていませんか。

子どもを伝言板として使うこと

会わせたくない気持ちをなんとか乗り越えて、父親と会わせることになった際に、「パパにこういうことはしないようにって伝えておいてね」などと伝言の役目を与えるのはやめましょう。
子どもは伝言板ではありませんし、父親と会うことを存分に楽しめなくなります。

また、帰ってきた時に、いろいろ詮索しすぎることは極力控えましょう。
どんな会話をしたのか、父親はなにか自分の悪口を言ってなかったかなど、詮索すればするほど子どもが板挟みになってしまいます。

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子どもは親の顔色を見ている

子どもとは、驚くほど空気を読み母親の顔色を伺っています。
母親を悲しませないように怒らせないように、自分の気持ちにフタをして毎日毎日母親の様子を気にしています。
また、母親に嫌われたら生きていけないという危機感もあるのかもしれません。

だからこそ、そのような気遣いをさせないように感情的にならずに、子どもが素直な気持ちを話すことができ居心地よく過ごせるようにドーンと構えていてあげることが必要です。

さいごに

夫婦関係は破綻しても、親子関係は永遠に続きます。
離婚しても、たとえ再婚しても、子どもにとっての父親は唯一無二の存在です。

子どもにとってよい父親なのであれば、自分自身の相手への気持ちはグッとこらえて、子どもが気兼ねなく父親の存在を肯定できるようにサポートしてあげることが大切ですね。

ABOUTこの記事をかいた人

しばはし聡子

中学生の息子と暮らす子連れ離婚経験者。面会交流に後ろ向きな思いを乗り越えた経験を生かし、離婚後の子育てや相手方との関わりで悩む親、そして子どもの一助となりたい思いから「一般社団法人りむすび」を設立。 現在、個別相談や面会交流支援に加え、講演や執筆を通して共同養育普及活動を実施中。

2 件のコメント

  • 子供の幸せを考えるととても大切な事だと思います。
    されど、親に葛藤があるとどうしてもチョットしたしぐさや行動に現れ子供は敏感に察知してしまうかもしれませんね。
    親が自身の問題を終わらせる事で、本当の「良い面会交流」が出来るのでは無いかと、この記事を読んで感じました。

  • 佐藤さま
    コメントありがとうございます。お返事遅れて申し訳ございません。ほんとおっしゃるとおりで親自身が消化することで、子どもが心おきなく両親と会える環境ができあがりますね。

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