不登校児童の「今」とこれからの「可能性」・親としてできること

貴方は、「不登校」と言葉を聞き、どんなことをイメージしますか?
近年ではニュースでもよく学校に行けなくなってしまう「登校拒否児童」や「不登校児」の数が年々増加傾向にあることが記事に挙げられるようになりました。

この記事を読んでおられる方の中でも、ご自身が過去にそういった経験をお持ちであったり、自分のお子様が現在その問題に直面している方も少なくないかと思います。

私も実際にそのなかの不登校児童の一人でした。
これから私のその経験を振り返りつつ、登校拒否の今と将来の事について話していきたいと思います。




学校に足が向かなくなる理由

一概に不登校と言っても、沢山の理由や様々な問題が含まれている場合がほとんどです。

メディアからは、「いじめがつらい」「人とのかかわり方が分からない」という人間関係の中で生まれる悩みが多く取り上げられているのもあり、『不登校=人間関係』と考えている方も少なくありません。

周囲からのプレッシャーが原因であることも

私も人間関係で学校に行けなくなってしまったタイプですし、もちろんこの考え自体が間違いではないと思っていますが、「勉強が分からない」「お金がない」などで周囲からのプレッシャーに耐え切れず学校に行けなくなる子も少なくないのです。

例えば、親や親せきから学力の向上を迫られているけれど、その子がその科目に向いていない場合、どんどんわからなくなる授業と学力向上を迫ってくる周囲のプレッシャーの中で板挟みになってしまい、自分を追い込んでしまうという例もあります。

学校に行きたくない原因を一緒に探ってもらいたい

だからもし、急にわが子が「学校に行きたくない」と言い始めたり、実際に不登校になってしまった時には、理由を頭ごなしに決めつけるのではなく、慌てずに子どもと向き合いコミュニケーションをとり、いろんな角度からその原因を一緒に探っていくことが大事だと思います。

社会参加が遠ざかることへの問題

学校に行けなくなった子にとって心配となる問題点は、勉強の遅れなど、基本的なことについていけなくなるのではないかというところでしょう。

実際には、勉強そのものは塾に通って補うこともできるし、沢山の参考書も書店に並んでいるので、本人のやる気さえあれば、勉強面はなんとかなるものです。

引き籠っていては体験できないこと

それよりも、学校は常に大人数の中で授業を行ったり、催し物に参加したり部活があったりなど、いつも集団生活に触れています。

それは重要なことであり、将来私達が大人になるうえで身に付けなければいけない社会生活を、デモンストレーションできる場にもなっているということ、ここが重要だと思います。

外部に触れる工夫を考える

社会では必ず、集団生活というものに触れます。登校拒否になってしまい、外部と触れあう手段のためには「アルバイトをして社会経験を積む」という考え方もありますが、アルバイトは義務教育の間は許されていません。

登校せずに、家の中に籠ってしまっている子は、外に出る機会が圧倒的に少ないため、そのまま集団生活を学べないまま社会に出てしまい、引き籠ったとき以上に高い壁にぶつかってしまう危険が大いにしてあります。

よって、勉強そのものよりも人と接することができる時間をどう確保すべきか重要事項となるでしょう。

不安な将来に光をくれるもの

こういった社会との関わりを断つことが続くと、親や周囲も「このままの状態がいつまでも続くのだろうか」「学校に行ってない子が、就職なんて出来るのだろうか」「もうやり直しがきかないのではないだろうか」など、様々な心配を持ち始めてしまうかもしれませんが、それは当事者本人が一番感じていることなのです。

学校に行けなくなった時の気持ち

私は学校に行けない日々が悪いことだと思っていたため、常に学校に行けない自己嫌悪と親に罪悪感を抱きながら過ごしていました。

「早くこの状態から脱しなければ」と頭では思っているのに、身体が動かず不安と自己嫌悪にさいなまれる日々が続いていました。

高認試験と通信制高校という選択肢

不登校になり高校を休学してしまったとき、このまま社会に溶け込むことが出来ないのかと絶望していた私に、支援の先生が高認試験と通信制高校を薦めてくれました。

高認試験とは「高等学校卒業程度認定試験」の略で、この試験に合格することで大学や専門学校に進学することが出来る、というものです

通信制高校は、毎日学校に通うことはなく、登録した科目のリポート(プリント)を書いて学校に封書で提出し、週1回から年1回のスクーリング登校を経て、単位を取得し高校卒業資格が得られる、というものです。

それぞれの特徴

二つの違いは、資格の違いで高認試験は高卒の資格ではないため、就職などする場合には中卒扱いになってしまいます。

これからやりたい専門学校などでの進学を希望している方は、高認試験が一番費用も安く、最短だと思われます。

一方、通信制高校の場合は資格が取得できるため、卒業した後は高卒扱いになります。卒業した後の進路がまだ決まっていない方や、就職を考えている方は通信制高校に通うのがおススメだと思います。

私が選択した通信制高校への転入

私は、まだ自分のやりたい分野が決まっておらず、ただただ不安だったというのもあって、通信制高校に転入する形になりました。これらの施設は「学びたいけど、人が怖い」「金銭的にバイトしながら資格をとりたい」といった方たちには救いの手の一つだと思います。

それに、リポートを続けたり、試験に向けて勉強することが学校に行けなくなってしまった方の「目的、目標」となることも一つの大きな一歩だと思うのです。

さいごに

不登校になってしまう子は全国で約13万人もいることが分かっています。
もし、貴方が今その問題に直面している本人であるのなら、諦めずに必ずどこかに道はあることを信じてください。

その思いがきっとあなたを強くし、行動に結びつけてくれると思います。そして、貴方がそういった子たちの親であるのなら、コミュニケーションをとり、一緒に考えてあげてください。テレビの話題とか趣味の話題で楽しむ時間も作ってみてください。

直接の問題解決に繋がらなくても、少しの肩の荷が下りることは思っている以上に変化が起きるきっかけになるかもしれません。

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