生活が一転する家族の介護・仕事との両立が出来る未来を望みます

今、日本では急激な少子高齢化が深刻な社会問題となっています。
それに関する社会保障費や介護システムといった様々な問題が浮き彫りになってきており、今まさに、そのバランスの崩壊が懸念されているのです。




社会的な少子高齢化問題

今から57年前の1960年頃には、1人のお年寄りを支える若者は11人も居ました。
しかし、現在では若者の数が減ってお年寄りの数が増えてしまった為に、約3人の若者で1人のお年寄りを支えなければならなくなってしまっています。

僅か半世紀の間に社会福祉に関する若者の負担は、3倍以上に膨れ上がっているのです。
近い将来、1人の若者で1人以上のお年寄りを支える未来が訪れる事は、もはや避けようのない事実だと言えるでしょう。

自身の働き方を考える必要性

そのような未来が迫って来ている現在では、両親の介護の為に仕事を休んだり、または短時間勤務の仕事に変えたりといった事を選択する人も珍しくありません。

更に、高齢者が高齢者の面倒を看るといった老老介護や、認知症患者を認知症の高齢者が看るといった認認介護というのも存在しています。

社会福祉費用の増大に伴う、負担の増加。加えて介護の人手不足や現在のような状況に対する制度や環境作りが不十分な為、ギリギリの苦しい生活を余儀なくされている人が大勢いるのです。

若者の一人暮らしと単身世帯にも問題が

こういった介護に携わる人達の困窮の原因は、少子高齢化以外にもあると筆者は考えています。まず、日本のマスコミがしきりに「若者の一人暮らし」を煽ってきた事です。

その結果、世論が両親と若者が共に住むという事に否定的になってしまいました。それが、家庭の介護をより孤独で難しいものへと追い詰める原因になったと思います。

そもそも労働人口の4割が非正規雇用で生涯未婚率が3人に1人、保育も介護も慢性的に人手不足、定年退職した人や女性の社会進出が期待されていて、超少子高齢化時代という現代日本において、果たして本当に若者の一人暮らしは推奨され続けるべきなのだろうかと筆者は疑問を感じています。

実家暮らしに否定的な考え方は健在

しかしながら当然のように、実家暮らしに否定的な考えはテレビや雑誌などで容易く見かける事が出来ますし、これだけ独居老人が問題になっている中でも、未だに「一人暮らし」が独立の目安となっているのが事実なのです。

外部の支援が行き届きにくい日本

また、ベビーシッターや家政婦、メイドといった「お手伝いさん」の文化が日本では一般的でないにも関わらず、欧米基準の「自立・独立」の価値観が浸透して単身世帯が当たり前になってしまった事も家族が仕事をしながら介護をする事が出来なくなった原因の一つだと言えるのではないでしょうか。

母親の介護が現実に

介護において「孤独」や「隔絶」は、最も近付けてはならない事だと筆者は思います。
筆者も父が亡くなったのを機に実家に戻って、母の介護をしながら生活をするひとりですが、仕事をしながら1人で介護をする現実の厳しさを思い知りました。

幸いな事に母は寝たきりといった事はなく元気なのですが、物忘れが激しい為にガスコンロを出しっぱなし、火を掛けっぱなし、水を出しっぱなしといった事は日常茶飯事で長時間一人にしておくのは危険な状態です。

終わりの見えない切羽詰まった状況が続く

以前、フルタイムの仕事をしている時にも頻繁に仕事を休んで両親を病院に連れて行ったり、お昼休みに会社を抜けて家に様子を見に行ったりと仕事仲間にも迷惑を掛けてしまう事があり、とても心苦しい思いをしていました。

また、終わりが見えない切羽詰まったスケジュールは精神的に辛く、心にも時間にも余裕がない生活を送っていました。
有給を取る事すら難しい日本において家庭の事情を優先して仕事を続ける事は、ほぼ不可能と言えるでしょう。

両立が難しいのであれば、働き方を考える

このように介護をしながら、フルタイムの仕事をする事は大変難しい事なのです。
そこで筆者は仕事を辞めて、プライベートを優先出来る仕事を探しました。

それが在宅ワークを始めようと考えたきっかけです。

在宅でできる仕事を始め、社会と繋がる

今、筆者が仕事をいただいているWebライティング事業のコンセプトが「女性が子育てしながら、家族の介護をしながらも働き続けられる環境作り」だったので、まさに筆者が求めていた条件そのものの仕事でした。

自分が恵まれた環境で仕事を続けられる事、プライベートが優先出来る事に日々感謝する思いですし、このような仕事のスタイルがもっと一般的になれば、もっと仕事と家庭を両立出来る人が増え困窮する人が少なくなるだろうと常々思っています。

それだけではありません。仕事をして社会との繋がりを持つと言う事は、人が孤独になる事を防ぐのです。そういう意味でも、仕事を持つという事は重要です。

30年前とは格段と違う通信環境を活用する

皆さんは、ロンドン五輪での交通渋滞を緩和する為に急速に普及した「テレワーク」という言葉をご存じでしょうか。情報通信技術を利用した在宅勤務の事です。

家や職場、場所に囚われないで仕事が出来るという勤務スタイルは、ロンドン五輪の際にオリンピックのレガシーとして国で推進されました。

日本でのテレワーク人数の割合は全体の僅か3パーセント程しかなく、家で仕事をするという考え方は、まだまだ一般的ではないですが、就職難や人口過疎が深刻な徳島県では県主導で環境を整えテレワークを推進し結果を出しています。
このように働く場所に囚われないやり方は、地方活性化にも結び付くのです。

さいごに

2020年の東京五輪を機に、日本の働き方が変わると期待されています。

通勤の必要がなく、時間に囚われずに、仕事をする事が一般的になる日が近い将来訪れるでしょう。その時、家庭の介護の在り方も大きく変わると筆者は考えています。

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