ワンピースの架け橋

女性
出典:pixabay.com

お客さんは特に多くも少なくもありません。

初日と二日目は開店した子ども服のリサイクルショップとしてお客さんが入れ代わり立ち代わり入ってくれましたが、売れたというのかどうか手ごたえはなく、お客の入りも三日目と四日目は途絶えました。

他のブース同様、曜日と時間に左右されるという感じなのでしょうか。

バイトを入れる必要もなかったかな、と由香里ちゃんの時給800円を惜しむ気持ちで計算し始めていました。

昔はリサイクルではなく、ノーブランドの子ども服を売っているお店で販売職に就いていました。

わたしは売ることが下手で、それは商品知識をなかなか身に着けられないということが理由でしたが、結局同じ路線を選んだのは娘を育ててサイズやシーズンごとの着せ方などを経験で覚えたからというのがありました。

手先は不器用ではなくレジやラッピングは得意でしたが、お客さんに商品の何を訊かれてもいつまでも答えられず、販売ではなく仕事そのものに向かないと思って落ち込んでしまったのが離職の理由でした。

短大時代からつき合っていた夫と同棲を始めて一年で結婚退職、25才で生まれた娘が小学校に上がる前に一回り上の夫の酔った勢いでの軽い不倫が原因で離婚となり、娘はわたしが引き取ることになりました。

戻った実家には妹夫婦とその娘、まだ2歳の姪が同居しています。

祖父母であるわたしの両親の愛情と興味は娘よりもややその姪に向けられているため、姪が生まれるまではそれを一身に受けていた娘は、それも居場所のない原因として実家にいる時間を少なくしようとしているのだと不憫に感じていました。

仲が良い妹と人の好いその夫に対しても、少し気を回してほしいという苛立ちが日々募り始めました。

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